久しぶりのハマナくんとの旅だった。思い返すと、いちばん最初の二人旅は北海道にフェリーで行く旅だった。北海道の旅中はずっとどこに行っても雑魚寝で過ごした。当時はまだ20代だったので、そんな過酷な旅も全然平気だった。
今回の旅も思えばなかなか過酷で、ツェルトに蚊が侵入して朝まで格闘したり、バイク移動は長かったり、また睡眠不足との戦いをしていた。
30代くらいの国内旅行というと、良い旅館に泊まって、美味しいもの食べて、温泉で疲れを癒して帰る、みたいなことを想像する。
どこにでもの旅はそういう旅がほぼない。二人で旅しているだけだが人に会うことも多い。
僕は何が自分を自由にしてくれるのかたまに考える。人と知り合って、たくさん話すことはその中の一つでもある。物事をこういうものなんだと僕が思い込んでいることを、人の考えを訊くことで打ち破れることがあるからだ。
どこにでもの旅自体も僕一人では決してしない旅なので自由を見つけることに役立っていると思う。
物の見方や価値観はどんどん変わっていく。それでいいのだと思う。もちろん性根というか信念はさほど変わらないかも知れない。捉われないことは僕にとっての自由でもある。けれど自由は楽なものではなく、けっこう過酷に思う。自分の価値観が何度も揺らごうとも、伊勢神宮の老大樹のように根を強く張っていなければ倒れてしまうからだ。途中何の話なのか脱線しましたが、伊勢神宮に話がつながって良かった。おあとがよろしいようで。
終
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