大学生の頃に一人で富士山に登りました。
その時も仔細は調べず、靴はコンバース、上着はヒステリックグラマーの薄手のナイロンとTシャツという、山をナメきった格好でした。
でも登れました。寒かったですがスティルアライブです。
「顔だけで世の中渡っていけると思ってるんでしょ?」
「はい、思ってます。私脱いでもすごいんです」というTBCのCMが昔ありました。
そう意外とそんな調子でも世の中は渡っていけるぞと少しばかり思っていました。
昨今、SNSなど自分に関する情報が多角化していくなかで、僕は脱いだらすごいぞっていうちょっとどうでも良いかも知れないことも、インターネットを通して皆が知り得ることができます。
けれども、本来脱いだらすごいってことは、僕だけが分かっていれば良いことだし、僕のまわりの半径1mぐらいの人が感じればそれで良いことだと思います。
何の話なのか、いや山の話なのです。
山は誰かと競争して登るものではないし、自分のペースを保つことが大切です。
都市にいると誰がどうだとか、年齢がどうだとか、株価かどうだとか、ちょっと気になることが多く、自分のペースが上手くとれず、知らない人といつの間にかマラソンを始めてしまいます。
けれど、山は僕を裸にしてくれます。
もはや山と僕の一対一なのです。
お前、脱いでもすごくないなって遠慮なく言ってくれます。
だから僕は山に登るのです。スティルアライブなのです。
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