朝、駅にいくと鉄道のストライキに出くわす。急遽、バスで空港に向かう。なんとか今度は悲願の離陸に成功する。こうしてイタリアをあとにした…。
ある日、僕はたまたまハマナくんに誘われ、彼の友人であるイタリア人のお家に泊めて頂き、ミラノサローネを見学するという旅に参加するとになった。
ミラノサローネは言わずとしれた国際的な家具の見本市だ。モダン家具の数々が広い敷地内に展示してある。街中にもミラノの至る所で展示をしている。
バイヤーやデザイナーや職人やプレスや様々な分野の人々がいろんな国からやって来る。
僕の今の生業はグラフィックデザインなので、直接関係することがあまりないけれど、家具の佇まいやファブリックや照明の色などとても参考になった。
とはいえ、僕がいちばん学べたのはイタリアのお宅に滞在できたことだと思う。代々受け継いできた食器や家具。どんな風に暮らしているかなんてなかなか体験できない。家具には、受け継ぐということの力強さが在る。暮らしには、家系というものが積み上げているあたたかさとかダイナミズムを感じた。
時代を超えた良い物を集める。そうした環境は、新たな価値観を積んでは、再形成されて次の世代に伝わる。
この写真は、僕が大学の卒業制作で作った最初で最後のテーブル。脚部が可変式で座卓と平面にトランスフォームする。作ろうと思ったときは、これで何か世界が変わるかも知れないと、デザイナーの扉を開けたようで、僕はまだ若く、胸をドキドキさせつつ思った。しかし世界は何ひとつ変わらなかった。
失敗から人は学んでいく?のかも知れない。飛行機ももう乗り遅れないしね…たぶん。
grazie, ciao.
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