「人類はやがて宇宙という無重力空間に出ていく。ならばその精神もまた同じように、絶対の拠り所のない状態をよしとできるように成長することが大切ではないだろうか。それはとても不安定だけれど、それでこそ、生きていくことが楽しくなるのではないだろうか。よって立つ地面がないということが、物理的な意味でも精神的な意味でもこれからの人間の最大のテーマなのだと思う。あるものに否応なくのっかり、それに頼って生きていくのはこれまでの話、普通の話という気がする。それはやわらかで何ものにも縛られない。科学ではなく知性こそが、このいきもののほんとうの力だと思っている。」と日高敏隆さんは言っていた。
僕は2010年は一人で仕事をすることが地盤のないことのように感じていて、足場が欲しいと思っていた。けれども日高さんの言うように、もう世界は無重力なのだ。重力に縛られることよりも、宇宙を遊泳することを楽しめばいい。自由を得ることは厳しい。けれどもやらなくてはならない。
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