ここ数年、京都は仕事がらみでしかいっていなかったし、奈良は中学校の修学旅行以来だし、少しは観光したいなぁ〜なんて思っていたのですが、バタつきました。
もっともーっとゆっくり、時間を作ってまた訪れたいです。
さて、この旅は吉野の山を訪ねました。
既出のとおり工場の見学をさせてもらった訳です。
もちろん、遊びじゃありません。
僕はモノを作り出す事に関わるデザイナー、また一人の地球の一員として、常に資源や循環の事を考えています。それはまだ学生の頃、誰にも教えてもらえない、デザインという仕事の事を現実的に考え始めた頃からの、僕の命題のような物です。
デザイナーは多かれ少なかれ、絶えずその職種故に、考え出す事の矛盾とジレンマを相手に闘っています。その闘いは勝負ではありませんので終わりなど無いのです。
生きていくためには沢山のデザインをしなくては、間に合わない、だけれどそれだといらないものまで沢山作らなくては、やはり自分が生きていくに足りる資金や待遇は得られない、そして経験も。
だけど、そういう仕事ばかりしていては、その仕事自体ができない世界になってしまうかもしれない。
そんなジレンマを抱え、
「そもそも自分はデザイナーとしてやってゆくべきなのか、やってゆかれるのか。」
という、どんな仕事の人も殆どがいたるであるであろう疑問を持つ訳です。
そして僕がこれまでで出している答えというののひとつに、
資源を循環させてゆく、人間の営みを他の生物を含めた世界全体の自然な形に組み込んでゆかれる様にするための仕事をするという事があります。
これはなかなか、簡潔に説明するのが難しいので、略してしまいますが、
要は循環を促すためにデザインができる事する訳です。
吉野の山へいったのはそのできる事を確かめにいくため。
そんなことなのでした。
吉野で出会った人達は正直で賢く、常に現実を見ている、そんな仕事の魅力、ものづくりの魅力、生きる魅力に溢れた優しい人達でした。
僕はこれから、僕の持てる知恵を出して人が喜ぶところが見られるように
がんばろうと、決意を新たにするのでした。
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