今年も夏至の週末に北海道へ行ってきました。
ただ今年は旭川ではなく、恵庭に滞在してきました。
恵庭市は札幌市と千歳市の間にあります。
その恵庭にある「とものいえ」で木のことについて学ぶワークショップをゲンカンパニーのむらかみさんと行いました。
ぼく一人の時はどこにでもククサにくるみの油を使ってオイルフィニッシュをしながら木に触って学ぶワークショップをするのですが、今回は木工のプロが一緒でしたので、ちょっと違ったワークショップを企画しました。
今回の企画はハガキ大の木のトレイを作るものです。
木は木材の板だけでは形の変形が起こります。
変形を少しでもしづらくするために、板に「反り止め」と呼ばれる材料を取り付ける、その作業を体験します。デザインした反り止めは「アリ残」という伝統的な工法を簡易な形にして加工しやすくし、同時にトレイの脚になります。
むらかみさんが準備してくれた材料に鉋を駆けます。鉋をかけて桟を削っていくことで溝には入らないサイズの桟を溝にピッタリよりも少しきついくらいのサイズにしていきます。
さらに桟を斜めに削ることで、溝の中にギュッとしっかり止まります。
そんな削り方や木についての説明をしながら、いざ鉋体験。
もちろん鉋の手入れや調整が必要ですが、それはさすがに難しいので、それもむらかみさんが事前にしこんでくれました。
鉋削りにしてもオイルにしても、サンドペーパーをかけるだけにしても、頭で理解するよりも体で感じ、それについて知識を得ていくほうが実体験を伴う分、身につきやすく、忘れにくい。
しかも、体感は人からは教えてもらえないものです。
木の性質について、僕はデザイナーですから、人に説明もする立場上、知識も含めて知っています。
むらかみさんはそれを自分の身で体得してきた人なので、言葉にもさらに重みがあります。
今回のワークショップはそういった意味でも新しくおもしろい体験が参加者の方々と共有できたのではないかと思っています。
自分で仕込んだトレイに、くるみの油でオイルフィニッシュ!
油の性質についてももちろん学びます。
焼き印を押して。。。
あとは「どこにでも珈琲」で一息。
いつもとは違うワークショップをしました。
大きく違うのは刃物を使うワークショップをしたことです。
それによって加工できる巾が広がり、体験できる内容もずいぶんと変わります。
僕は自身ではいちおう刃物を使うことに慣れていますが、プロではありません。
だから、刃物を使わずに木のことについて学べる、体験できるワークショップとしてオイルフィニッシュのワークショップをしています。
人に示しながら刃物を使うにはやはりそれを日常的に使い、生業としているプロがする必要があります。
今回ともにワークショップを開いてくれたむらかみさんは、空き家のリノベーションをしたり、いろいろな「つくる」活動をしています。
もともとは寺社仏閣の建物を建てる技術のある「宮大工」で、いまでもそんなお仕事をされたりもして忙しくしています。
初めて会ったのは3年前、ククサのワークショップをしに同じように北海道にやってきた僕に、友人が紹介してくれて知り合いました。
ククサを首から下げた僕に挨拶しながら、むらかみさんの目はククサを見つめていました。
ぼくがどんな仕事をしていて、なぜククサを首から下げているか、このククサ、そもそもなんなのか。
そんなはなしをしながら、むらかみさんが当時作っていた、「鮭箱スツール」を見せてもらいました。
今年行ったら、「鮭箱スツール」は力学面も兼ね備え、完成形間近となっていました。
他には鮭箱の。。。この先はきっと今後むらかみさんから発表があるでしょうから、楽しみに。
むらかみさんにご興味持たれた方は、是ゲンカンパニーのホームページも見てみてください。
来年もまた夏至に北海道に行きたいと思っています。
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