アメリカの店員さんはレジで品物を渡す時に決まって"have a good time"とか"enjoy"などと言う。買ってくれてありがとうではなく、
あなたの一日を楽しんでと。楽しむためにはそれを人と分かち合う必要がある。「お疲れ様です」や「お世話になっております」と声を掛け合う日本とは違う哲学を感じる。楽しみは人と共有することで倍になる。僕たちはお互い楽しむために生きている。苦しいことを我慢した先に極楽浄土があるわけじゃない。明日、突然死ぬかもわからないのに、そんな場所は目指せない。苦しいときこそ、明るく楽しさを見出すのが人間が考えた、永く変わらないタイムレスな知恵なのではないだろうか。どこか遠くへ行きたいと時々思うのは、楽しさを見出すためには、想像力が必要だからだ。裏を返せば、はじめから強い想像力があれば、何処にも行かなくてもいい。けれど、人は環境には影響されやすい。だから日本に長くいるとhave a good timeではなく、日々をお疲れ様ですとしか思えなくなる。出来得る限りどんな人と出会っても、興味を持って接しようと努めたい。この人とは合わないなと感覚で思ったとしても、それはしばらく無視する。相手が無視しない場合ももちろんあるが。それでもお互いがhave a good timeになったら良いなと少なくとも思う。どんな気持ちでいても時間は等しい。だったら楽しみを見出す作業をした方がまだいい。しかし、ニューヨークの人々にはとてもかなわない。拝。
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